――――その日の夜。 私は久しぶりにゆっくりと眠った。 鏡夜に抱かれ、私は眠りの世界に落ちていく。 ……あの夢は、もう見ない。 すやすやと静かに眠る私の横で、鏡夜が微笑んでいた。 『――――…もう、大丈夫だね。皐月……』 そう小さくつぶやいた鏡夜を、青く光る月だけが見ていた―… .