怖い…
もう…見たくなんてない、の―…
「―――皐月」
ふとサクに名を呼ばれ、腰をくいっと引き寄せられた。
体に力の入っていなかった私は、あっさりとサクの腕に収められた。
「サ、ク…?」
顔を胸に埋めたままの私の頭を、サクの手がゆっくりと撫でる。
「夢でも見るのか?」
ぽつんとサクがつぶやいた。
ビクッとあからさまに体が揺れてしまう。
「……見るんだな」
「ち、がう…」
「どんな夢なんだ?」
や、だ……
お願い、聞かないで…
ギュッとサクの服を掴み、頭を振りつづける私に、サクは言葉を続けた。
「―――兄貴のことか?」
違う…
違うよ…
ちが、う………

