――――――――……
太陽が傾き始め、昼間の乾いた風が少しだけ湿り気を帯びる。
時計の針は5時ちょうどを指したところ。
窓に映る自分の顔を眺めながら、微かに揺れるバスの座席の上で、大きなあくびをした。
そんな私の耳に、ふっ…と小さな笑い声が届く。
「お前…もっと控えめにしろよな」
前の車のじいさん、ビビってた。
なんて、クックッと喉を鳴らしながら笑うサクを、恨めしげに睨んだ。
……のに、ふたたびあくびが私の口をこじ開け、迫力なんてものは皆無。
「疲れたか?」
「ううん…平気」
さっきとは違い、表情を引き締めたサクが尋ねる。
それに笑いながら返すものの、私のまぶたは今にも引っ付いてしまいそうだった。

