「俺は…どうすればいい?」
もし約束を果たすなら、それがお母さんを傷つけるかもしれない。
もし約束を果たさないなら、それは鏡夜を傷つけるかもしれない。
とっても難しい問題だった。
サクにとっては、どちらも大切な家族。
どちらも傷つけるなんて、出来る訳ない。
―――だったら。
「わかんねぇ……」
苦しそうにつぶやいたサクの前に、そっとマグカップを差し出した。
「―――これ、可愛いと思うよ」
私の言葉に驚くサク。
それに構わずに言葉を続ける。
「私、サクが悩むの、分かるよ。傷つけたくないもんね、大好きだから」
「何を…」
「だからね。二つ渡せばいいんじゃないかな」
そう、一つは鏡夜から。
そして、もう一つはサクから。

