でも…
―――食べて欲しかったな…
落ち込む私の頭の中に、微笑んでいる鏡夜が浮かんだ。
……きっと鏡夜なら、半分こしてくれただろうな…
そう思うと同時に、あの夢のことを思い出し、鼻の奥がツン―…とした。
「――――悪かったよ…」
そんな小さなサクのつぶやきが聞こえ、私の手に温かいサクの手が重ねられた。
驚く私をよそに、ぐいと自分の方に私を引き寄せたサクが、ペろりと控えめに舐めた。
「…甘いな」
ゆっくりと私から離れたサクはそう言って、顔を歪ませる。
ぱちぱちと何度もまばたきを繰り返す私を見て、サクは微笑んだ。
「――これで、寂しくないだろ?」
いつになく優しいサクの声に、視界が滲んだ。
泣くなって…と、戸惑いながらも私の涙を拭ってくれるサク。

