「―――おい、どうした?」
ハッとして顔を上げれば、不思議そうに私の顔を覗き込んでいるサクと目が合った。
そんなサクの右手には、白いソフトクリーム。
「ほら。溶けねぇうちに早く食べろよ」
そう言って差し出された甘い匂いのするソフトクリームを受け取り、ありがとう…とつぶやく。
じっと手にしたソフトクリームを眺めている私の横に、ドカッと勢いよくサクが座った。
「あちー…俺まで溶けちまうっての」
ぶつぶつと文句を垂れるサクの額から流れた汗を見、やっぱり中の方が良かったかな、なんて思った。
記録的猛暑が続いていた夏休みももう終わりに近づき、あと一週間もしたら新学期が始まるというそんな日に。
私とサクは、買い物に来ていた。

