「皐月?どうした?」
私の行動に不思議そうにサクが首を傾げるのを見て、何もない。と肩を竦めて見せる。
気持ちを切り替えるように、空を仰いだ。
――――一点の曇りもない空。
どこまでも澄んでいて、遠くの方で雲が幾筋かたなびいている。
太陽の明るさに瞳を細め、帽子をかぶっているのにも関わらず、まぶたの上に手を乗せる。
キレイ―…
海の“蒼”も好きだけれど、やっぱり空の“蒼”の方が楽しい。
見上げる度に、まるで表情が違う。
「すごーい…………っうぁ!」
あ、危ない…!
空を見るのに夢中になりすぎて、後ろに体が傾いていることに気がつかなかった。
「『ッ皐月!』」
鏡夜とサクの焦ったような声が聞こえ、来たる衝撃に固く目をつぶる。

