小さな子供連れの家族や、中学生くらいの年頃の女の子たち。
そして、仲の良さそうなカップル。
その二人の組まれた腕を見て、私の視線が釘付けになる。
「……………………」
そっか…
あれが当たり前なんだ。
好きな人に触れる幸せ。
好きな人に触れられる幸せ。
みんなそれを噛み締めて、寄り添いながら歩いてる。
それをうらやましくないって言ったら、嘘になる。
だけど―…
今は体の繋がりなんかじゃなくて、心と心が繋がっている気がするから。
前よりももっともっと深く。
だから…いいの。
「―――――……鏡夜…」
ツン…と鼻の奥が滲みたのは、きっと潮のせい。
ふるふると首を振り、目の辺りを乱暴に拭った。

