いつか、きっと。





「残念ながら俺は持ってないぜ」





唇を薄く持ち上げ、淡々とサクが告げる。



驚きでぱちぱちとまばたきを繰り返し、首を傾かせる。





「何で分かったの?」



「あ?そりゃ、あんな目で見られたら、誰でも気づくだろ」





鍵を私の手に握りこませ、サクは立ち上がった。



銀色のそれはひんやりと冷たい。





「ふぅ〜ん…」





そんなものなのかな。



ちらりと視線を上げ、大きなあくびをしているサクを見つめる。



鏡夜とは違って少しくせっ毛なサクの髪を、海から吹き抜けてくる風がさらう。



そっとサクから視線を外し、周囲に目を向ける。



シーズンなだけあって、多くの観光客で賑わう海岸。