「皐月…、その……」
「ん?」
口元にあった手で前髪を掴み、私からゆらりと視線を逸らした。
そして、とても。
本当にとっても小さな声で。
―――悪かった…
と、つぶやいた。
驚いて目を見開く私に、サクはぼそぼそと続けた。
「昨日…皐月に……」
「えっ?」
「あんな言い方して、その…悪かった」
ちらりと私に視線を戻し、小さく息をつくサク。
再び私を捕らえた瞳は、凛とたくましく、真っすぐだった。
「もっとたくさん言いたいことがあったんだ。でも、あんなきつい言い方しかできなくて…」
あぁ、そっか。
きっとサクは昨日の別れ際のことを……

