『―――そろそろ機嫌直してよ、皐月』
半ば呆れ気味の鏡夜の声が後ろから聞こえる。
その鏡夜を振り返り、ベーッと舌を突き出す。
「いーだっ」
『もう………』
さっきからずっと繰り返されるこの会話。
私の頑固さに、鏡夜はほとほと困り果ててる。
ふんっだ。
絶対許してあげないもん。
『ねぇ、いつになったら機嫌直るの?』
「ずーっと」
なびく髪を耳にかける。
視線の先の鏡夜が、深いため息をこぼした。
『子供みたいだよ』
「いいもん。どうせ私は子供だもん」
『言葉の揚げ足をとらないの』
鏡夜が私に一歩歩み寄る。

