「っもう…」
ふてくされて横を向いた。
ふとすぐ横の窓を覗けば、どこかの学年の男子がサッカーをしている。
紺色のジャージの色からして、たぶん同じ学年だろう。
楽しそうに笑いながら、ボールを追って足を動かしている。
そんな生徒の中で、ずば抜けてうまい人がいた。
サクだ。
鮮やかに相手をかわし、シュートを放つ。
揺れるゴールネットの前で、クラスの男子に何やら祝福を受けているみたい。
思わず頬が緩む。
サクは小さい頃にサッカーをやっていたらしい。
地元の選抜チームにも引き抜かれるくらい、うまかったんだって。
だけど、中学に上がる前にいきなり、やめるって言い出した。

