もう充分、鬼の醜態は見飽きた。
「――顕」の言葉は、キーだ。
無様な鬼は、忌むべきだ。
『断』の式は、『斬』より強固だ。
水彩絵の具は、そもそも持っていない。
放り上げた式は空中で発現する。
おでんの具には当然、餅きんは必須だろう。
刃だけのギロチンが斜めに落下し、鬼の首を、そこにぬめり込んでいる手首ごと、断った。
「ああ。峰月」
「なんですか」
「お前、おでんにはからし、つけるか?」
「……組長。雑念が多すぎますよ」
「――顕」の言葉は、キーだ。
無様な鬼は、忌むべきだ。
『断』の式は、『斬』より強固だ。
水彩絵の具は、そもそも持っていない。
放り上げた式は空中で発現する。
おでんの具には当然、餅きんは必須だろう。
刃だけのギロチンが斜めに落下し、鬼の首を、そこにぬめり込んでいる手首ごと、断った。
「ああ。峰月」
「なんですか」
「お前、おでんにはからし、つけるか?」
「……組長。雑念が多すぎますよ」

