―ごみ捨ててきといて!
夏々いらいらしているなぁ…
玄関に出ると 誰か人がいた
お客様かな…
黒い着物の男の人
「あのー、お客様…」
「すいません。もう帰ります、…司を待っているんです」
振り返ってにっこり笑った
きれいな人。
「つ、司様…とお知り合いですか。」
「えぇ…同い年なんですよ。名乗り忘れました、花柳千暁と言います。以後お見知りおきを」
ぺこりと頭を下げた
慌ててあたしも頭を下げる
この人がさっきの…花柳様!?
「彼が来たみたいです。ではお先に失礼いたします、貴女にまたお会いできますように…」
玄関から すっと外に出ていった
…花柳千暁さんか
「一ノ瀬さん!」
「…あ、司様…」
司さまが スタスタ歩いてきた
「花柳の姿が見えたんだが…見かけなかった?」
「あ…ちらに行かれました」
「そうか…相変わらず自由な奴。」
はぁあと髪をかいた
「……片付けありがとう、沢山ゴミ出たんだな。」
「あぁ、いえ。仕事ですから、お気になさらないで下さい…」
くくっと司様は笑った