わかってるけど。
……こわい。
<司目線>
「箝口令(かんこうれい)とは古臭いわ。死んだら何も話せへんのに…なぁ」
「仕方ないだろ。総理の意向だし…。」
結局は…中にいる人間は何もできない。
話し合おうが何をしようが…
死ぬ…
「…蒼井君、あぁ高遠君も」
「水前寺総理…、」
「迷惑をかけるね。すまない…、」
いいえと俺は言った
周りの議員は静かに見ている
「地下から警察がきて爆弾を解体するらしい。我々は動かないようにとの事だそうだ…、」
「やはり爆破は虚偽ではなく…。」
水前寺総理は、ははと笑った
「頭がきれるね、蒼井君。……来てくれないかい、花柳君が君に用があるらしい……」
「……分かりました。」
やはり花柳に電話していたのか…
「花柳さん…用事とは何ですか?」
『ごめんごめん、“蒼井総理の亡霊を出せ”っていう要求があったんだ。』
蒼井総理の亡霊…
受話器越しに笑う声がした
『君の事“亡霊”だって、司。面白いねぇ…』

