司さんは 何事もなかったみたいに朝は議会に出ていった…
私も何事もなく仕事をしようとしていた
夏々が息をきらして走ってきた
「紅々!」
「夏々どうかしたの?」
「…いまニュースで国会爆破予告が出たのよ、時間は午後1時…誰か一人でも敷地外に出たら爆破。」
爆破…て
確か司様は…、まだ着いてないよね
「司様…は」
「運転手の中野さんに電話したら……、」
「ちゃんと時間通りに送ったって…、中に入っちゃったのよ」
「じゃあ司様はっ……」
「…分かんないわよ!応接室に来なさい…。」
夏々は ぐいっと手を引っ張った……
爆破予告…。
死なない よね。
議会廊下にたくさんの議員がいた
廊下はいつも以上にうるさい。
皆、不安を紛らわすために話している
緊急事態…だから
「爆破って…ようセキュリティくぐり抜けたなぁ」
高遠はかかかっと笑った
議員の一人が高遠を睨んでいた
「高遠…私語は慎め。」
「悪い悪い。物好きがいるんだなぁ…、捕まったら一生出てこれんだろうに」

