夕方過ぎ…
「ただいま。誰か手を貸して下さらないですか?」
「花柳さま……?ちょっとー誰かー」
花柳さまが
何故かうちの玄関にいた
奥様も出掛けて
いたが帰ってきた
どうやら
司さまが倒れたらしい…
もちろん風邪。
偶然居合わせた 花柳様が送ってくれた…らしい
全部お茶を出した
別のメイドの子から聞いたから
曖昧だけど…
「司様風邪薬飲んだのかしら、飲んでも効かないくらい悪化してたらやばいわよ」
「…うん、」
伸ばしたら髪飾りあげる…
なにをうかれてたんだろう
あたしは普通に仕事して
何事もなく
終わりの時間が近づいていた
大丈夫なのかな…
「一ノ瀬さん。」
ひょいと廊下から出てきた
花柳さんだった。
「花柳さま、…こんばんは。あの司様は…」
「大丈夫。無理が祟ったみたいで、さっき医者が来て風邪だって言ってたよ。頑張り過ぎだね…」
相変わらずの笑顔
「…そうですか、」

