夕方…
どうにか 久光様が時間通りに帰宅して晩餐会みたいなのが始まった
私も給仕係だったから何人かのメイド仲間と食堂まで料理の配膳にいった
蒼井家の食堂はそこまで広くはない
テーブルもイスも木製で
全体的に茶系の造りで落ち着いた感じ
(けれどイスも照明も聞いたらびっくりする値段だった)
司郎様が食堂を広くつくるのを嫌がったらしい
「メインのステーキでございます。熱いので気をつけてお召し上がりください」
私は栞様にステーキのお皿を出した。
ありがとう、と栞様は微笑んでフォークを手にした
蒼井家の四人に出し終え再び、私達は後ろに控える
カチャカチャと食器を動かす音、話し声も聞こえる
「美味しいわ。ねぇ兄様」
「あぁ、」
「もう。さっきからそればっかり」
栞様が ふぅとフォークを置いた
「そういえば兄様、桜井様とはどうなったの?去年以来お会いしてないけれど…兄様は会ったんでしょ」
「あぁ…相変わらずだ。栞の事も心配していたみたいだから、また連絡してみたらいい」
ワインを飲みながら司さんは言った
桜井様…か

