「…末吉さんは、涼さんの行方は探されたんですか?」
「……司様のご用命で何度か探したのですが…いずれも見つけ出すことはできませんでした」
司様…
やっぱり捜してくれと頼んだのだ…
「すみません……」
「…あなたが謝ることではありません、いずれ時がきます。何もかもが明るみに出る時が…必ずね」
末吉さんはふっと 肖像画を見て笑った
「紅々」
「あ、はい…すみません、」
夜 司さんの仕事部屋に呼ばれ書類の整理を手伝っていた
「どうかした?」
「いえ…」
昼に…末吉さんから聞いたこと
司さんを目の前にしたら急に現実味を帯びてきた
-容姿端麗な芸子…
-妾になったが蒼井家を追い出されいまは行方知れず…
「…本当に大丈夫か?…気分が悪かったら…」
「いえ…なんでも…」
司さんをふと見る
多分きっと涼さんは美人だったんだろう
司さんを見ればよくわかる
目や鼻筋は司郎様には似てはいない…

