「末吉さん、」
庭園で庭師と話している末吉さんを見つけた
ちょうど話終えこちらに向かってきた
「おや一ノ瀬さん。」
「すみません、いまお時間大丈夫ですか?」
末吉さんは 私をじっと見たあと頷いた
「なにか私に聞きたいことがおありなんですね」
「…はい。」
「…場所を移しましょうか?ここでは人に見られてしまいます」
ギャラリーがある廊下まできたら末吉さんは足を止めた
私が舞踏会の時にきた場所
「…末吉さん、あの、わからなかったらいいんですけど…あの、」
「司様の本当のお母上のことでしょうか」
わかっていたように末吉さんは話した
肖像画をちらりと見た
「…司様からはなんとお聞きになりましたか」
「……涼さんという名前を司郎様から聞いたけれど本当の名前か分からない。とお聞きました」
-酔った司郎様が言っていた。本当かは分からないけどね。
末吉さんはふぅとため息をついた
「…涼さんという名前は間違いではありませんよ、…」

