「……紅々いるんだろう」
司さんの声がした
恐る恐る立ち上がった
「すいません…司さん…」
司さんは少し苦笑していた
「…いいよ。」
司さんは立ち上がって私の所まで来てくれた
「すいません」
「謝る事ないよ、花柳が悪いんだ。汚れてるよ…」
エプロンに着いた汚れをはらってくれた
「…大方、花柳が君をそそのかして…君を来させたんだろう、あんな都合よくヤツは現れないからな、全く…」
茂みから出て ベンチに座った
「…悪かった。君にあんな話を聞かせてしまって…」
「いえ…」
-本当の父は蒼井司郎…
「……司さん」
「ん、」
「…本当なんですよね、おとうさまが蒼井司郎様だというのは。何故…」
司さんの顔が見れなくて下を向いた
「…本当だよ。6才の時に人から聞いて知ったんだ。はじめは何を言われてるのかわからなくなったよ…父が蒼井司郎だなんて…」

