「…はい」
「どうかよろしく頼みますね」
私はとりあえず裏庭の薔薇園に行く事にした
夏々やメイド仲間には末吉さんが適当にごまかしてくれると言ってくれた
…でもなんで末吉さんはあんなに親切なのだろう。
司様に対して…
何か理由があるのかな…
たしか末吉さんは司郎様がご健在の時からこの屋敷に居たらしいけど…
司郎さま…
司さんが司郎さまに似てらっしゃるから…とか
とりとめない事を考えてると薔薇園に着いた
誰か人の声が…
て…そういえば花柳さまがなんか言ってた…
誰…
静かに耳を済ますと声がした
久光様と司さん…
なんで…
覗く訳じゃないけど近くの茂みにかくれた
(-っ…薔薇トゲがちょっとささるが我慢しよう)
「…お前はいつまで独り身でいるつもりだ。もう27…だろうに」
「まだ嫌です…結婚は30まではしません。妻や子供に縛られたくはありませんし…それに僕はまだ正式に貴方から蒼井家の跡継ぎと認められていませんから」

