わたしは仕事を
いつも通りこなし…寮
ではなく…舞踏室にいた
真っ暗で 明かりは月しかない
ここで司さまと踊った…
寂しそうに笑っていたのを見た
まるで夢を見ていたみたいだった
司は君をだます…
そう聞いてカッとなったけど
司さまから何も聞いてない…
花柳さまの言葉を鵜呑みにした…
「月が綺麗な夜だね。一ノ瀬さん…」
カッと音がした。
「…つかささま、」
「寮に居なかったからここだと…何となく分かった。人が来ないからね」
カツカツと暗闇から音がした
うっすら司様が見えた
「……」
くると後ろを向いた。
なんと言ったら
いいか分からない……
「…ごめん。君を利用しようとしたのは間違いじゃない、謝る。怒って当然だ」
「……」
「でも好きだと、思ったのは嘘じゃない。それは信じて欲しい、花柳に何を言われたか知らないが…。」
花柳さま。
私は目をつむる。
手をギュッと握る……
司は…きみを…
「…結婚を破談にしたかった。まだ結婚したくないからきみを理由に使おうとした。」

