それは前触れなくやって来た。


地響きと共に
突然大きく揺れる校舎


壊れる音と悲鳴



地震だと気付いた時には
怖すぎて…


私は教室の床にしゃがみこむことしか出来なかった。


長時間、続いた揺れが収まると


校内放送が流れた。


教師たちは慌ただしく走り回る


騒然とする教室


座り込む私の腕を千晴が引っ張った。


『立てる?グラウンド行くで。』


力が入らない足で頑張って校舎を出た。



校舎から出る途中
くつばこが倒れていて…


初めて地震の被害状況を感じ始めた。


そうだ…

家は…大丈夫なの?


家もこうなったんじゃないか…


お母さんは?

どうしよう…


一気に押し寄せる悪い想像。


不安にかられて泣いた。


手を繋いだ千晴も泣いていた。