水をかけられても 上靴隠されても 教科書破かれても 泣いたりしないし、反論したりしない。 そんなことをしたら、佐奈ちゃんが私を助けなければいけなくなってしまうから。 油性マジックで汚い言葉を書き連ねられた私の席。 そこに、私が座るのを見て女の子はみんなニヤニヤしていた。 その輪の中で佐奈ちゃんは黙って俯いていた。