「佐奈も、あいつのこと、嫌いだよね」 私に聞こえるように、そう言ったクラスの女の子に、佐奈ちゃんは曖昧に笑った。 佐奈ちゃんとは幼なじみで、いつも一緒だった。 幼稚園のとき、私をいじめる男子と佐奈ちゃんは戦ってくれた。 小学校のときは放課後に二人で駄菓子屋さんによく遊びに行った。 佐奈ちゃんはいつだって私を守ってくれた。 だから、今度は私が守らないといけないと思った。