「遥もすれば良いのに…」



「誰とよ」



私は口には出さず、遥の隣に居る豊先輩を見た。

何となく、わかるんだ。

不器用なこの2人は、素直に謝れないから仲直りが出来なくて、別れたんだって。

遥がその後に付き合った人と続かないのは、心に先輩が居たからだって事も――…。



「……ちょっと、話さないか?」



意を決したような豊先輩が箸をお皿に置き、立ち上がった。

遥は「急に何なの?」と言いつつ、素直について行き、外へと出て行った。



「どうしたんだ?」



陸兄は不思議そうに、閉ざされた玄関の扉を見る。