(禁断)瞳を閉じて。【完】

優は「だから!」と声を荒げる。



「典人の噂、知ってるよな?
洋介が、一緒に捜して欲しいって電話して来た!!」



俺らは慌てて荷物を鞄に詰め込み、教室を飛び出した。

優の車に乗り込み、洋介が待ってる田原ん家に寄って、3人で典人を捜す。

ーープルルル…

俺は優に携帯を借りて、空兄に電話を繋げた。

“仕事中だから”とか、適当に理由を決め付けて連絡をしないとキレるから。

特に、海の事なんだから。



『――もしもし、高梨ですが』



「俺。陸だけど」



『あぁ、陸?携帯番号、知らんやつなんだけど』



「優のだからさ。それよりさ…」



俺は空兄に全てを話した。

すると、電話の向こうから、ガタンと言う音がした。