「海を返して…」



「君は大人しく寝ててね?」



ーーバチッ



「遥――ッ!!」



「早く行くぞ!!」



運転して居た男が、遥にスタンガンを当てた。

倒れた遥をその場に残し、車は走り出す。



「ちょっ…ヤダ…!」



車が走り出したら、典人さんは私の体に触れて来る。

右手しか上手く使えない状況での抵抗はかなり厳しい。

両手首縛られ、なす術を無くすと、典人さんはニヤリと笑った。



「好きだよ、海(笑)」



「―――嫌ぁーーッ!!!!」