学校の様子の話を聞いてると、目の前に車が飛び出して来た。

私は咄嗟に身構え、遥を突き飛ばした。



「久しぶりだね、海ちゃん」



典人さんが後部のドアを開け、私に話し掛けて来た。



「…来たんですね」



声が震えた。

後ろで遥は「何なの…?」と言ってる。



「来たらダメ?」



「私は…空しか愛せない」



だから、典人さんの思うようにはされたくなかった。



「じゃあ、仕方ないよね?」



「キャ――ッ!!」



私は腕をグイッと引っ張られ、車に乗せられた。

出ようとしても、ドアの前には典人さんが座ってる。