私は気を持ち直し、自室へと戻った。

陸兄に水を持って来て貰う間に、パパッと部屋着に着替える。



「ほい」



グラスを後ろから渡され、両手で受け取り、水を一気に飲む。



「ありがとう…」



コトンと音を起てながらテーブルにグラスを置き、私はベッドに潜る。

しばらく、外には出たくない。

典人さんに会いたくない。

私は「体調が良くないから、1人にして」と、我が儘を言う。

陸兄は「言いたくなったら言いな」と言って、グラスを持って、私の部屋から出て行った。

言える日が、私には来るだろうか…。

私は何よりも、誰よりも、典人さんが怖いよ…。