「陸。今日は俺が看てるから帰れ。優もありがとな」



「いえ…」



私が卑屈な事を考えてると、空兄が座ったまま、陸兄と優君を帰そうとしてる。

私は“帰らないで!!”と言うかのように、2人を見ると、「あっ」と、陸兄が反応した。



「何?」



優君は鞄を漁り出す陸兄を見る。

私はベッドとテーブルが死角となって見えない。



「空兄!」



「…お;;」



陸兄が空兄に投げたモノ。

空のペットボトルに嵌められたリストバンド。



「海、やるよ!」



「…陸、それはかな(元カノ)からの――」



「言うな!;;
じゃ、またな;;」



陸兄は優君の首根っこを掴みながら病室を飛び出した。