「頼むから、馬鹿な事は止めてくれ!この3日、母さんも寝ずに付き添ってたんだよ。空兄も親父も」



私は3日間も寝てたらしい。

…“空兄が付き添ってた?”

止めて欲しいよ――。

私が空兄を好きにならなければ、私はこんな事をしなかった。

私が勝手に惚れて、勝手に死のうとしたんだけどさ…。

私は酸素マスクを戻し、布団に潜った。



「海、飯は?お茶もあるけど」



「いらない」



私は何もいらない。

欲しいのは、1人になる時間。

誰も居ない馬鹿。

知らない人に囲まれた場所。

春まで、待つ自信がない――…。