(禁断)瞳を閉じて。【完】

ネットで調べた、まだまだ新しい、女医さんの居る産婦人科。

女医さんだと行きやすいけど、1人では行けない。

勇気がわかなかった。

―――それはきっと、空の子供ではない。

典人さんの子供だから。



「ごめんなさい…。皮肉だよね。典人さんの子供が居るかも知れなくて…豊先輩の友達なんだもん…」



隣に座る先輩は、何も言わず、優しく微笑みながら、頭を撫でてくれた。

私は恵まれた人間だ。

優しい人たちに囲まれて。



「海ちゃんの子供だよ?典人君は関係ない」



「う、ん…」



この子は私の子供なんだよね。

何も悪くないんだ。