あれは小学校4年生の時だった。


学芸会で“シンデレラ”をやることになったんだ。


私は、主人公のシンデレラ役をどうしてもやりたくて、配役決めの時に手をあげた。


そしたらその直後にクラスで1番カワイイって言われてる女の子も手をあげたの。


それでも私は手をさげなかった。


引き下がらなかった。


だってシンデレラをする権利なんて、みんな平等なんだもん。


でも…


あきらかに“私”じゃなくて“その子”がシンデレラ役やるべきだって顔をみんなしてるんだ。


みんな口にはしないけど、それを視線で訴えるの。。。


“どう考えても主人公はお前じゃないだろ”って感じで…。


私は耐えられなくなって自然と手をさげていた。


手の代わりに、白旗をあげていたんだ…。


だから…また今回も引き立て役だったんだよね?


ねぇ、純ちゃん。


どう考えてもひかりさんがシンデレラだよね?


私だって…


私だって一度くらいシンデレラになってみたかったよぉ。。。