多重書きの二等辺三角形


ひかりの部屋で俺は微妙な距離感を保っていた。


どうしてだかはわからないが、そうしていたんだ。


『ねぇ、純平。この写真覚えてる?』


ひかりは中学時代の写真を俺に見せてきた。


『笑えるでしょ?純平2ショットの写真を撮るといつだって変な顔するんだよね?あれ照れ隠しだったんでしょ?』


「照れ隠しなんかじゃねーよ!!」


『中3のときだっけ?一緒に色々行ったわよねぇ…。出来るだけ大人みたいな格好してクラブとか。大人の世界に入れた気がして楽しかったわ。』


「そうだな。」


『今思うと…あの時が1番素直に笑えてた気がするの。』


「…。」


『…って過去を振り返るにはまだ若過ぎるか(笑)』


そんなことを言うひかりの姿がたまらなくいじらしかった。


『でもね…』