佑二は呆気にとられた。そしてその後自分の質問が無視されたと気付き、少し声を荒げた。
「ここはどこですか?って聞いてるんですけど!」
駅員は静かに繰り返した。
「お待ちしていました。どうぞ、お乗りください」
「おい!」
佑二は駅員の服を掴む。その不気味で異様な感じから何だか動かずにはいられなかった。
「どこなんだって聞いてるんだよ!」
服を掴まれた駅員は初めて佑二を見た。その目は無表情で、どこか異質で目が合った瞬間、背中に強い悪寒を感じた。佑二は慌てて手を離す。
「お待ちしていました。どうぞ、お乗りください」