僕は伊藤の遺体を傷つけたくなかった。
僕は外へ移動した。
僕は空を自由に移動できるが男は………
男は跳躍して僕の方へ来た。


「なめるな」


『キャンセラー』を付けているもう片方の手で僕を殴ろうとしていた。


僕は面白くなった。
人類最強の能力値の男を破壊したい………
僕はさっき飛ばした粒子の塊を僕の手のひらに作った。


男の拳にぶつけた。
男は吹き飛んだ。


だが、生きていた。
たいしたタフさだ。
でも、もう弱点はわかった。


男がまた僕の方へ飛んできた。
飛ぶ力のない人間が飛ぶ姿は見ていて恥ずかしい。
僕はメスを一本『具現化』させ男に刺してやった。


「グッ」


男は下に落ちて行く。
僕は大量のメスを『具現化』した。
一万本以上のメスを男に飛ばした。
逃げる場所など与えない


男は地面に着くまでに何本、何十本ものメスに刺さっていた。
男は落下した。
僕は男の近くまで降りた。
地上に降りて、僕は男の近くまで歩いた。
男はメスを抜いていた。
だが、誰が見てももう戦える状態ではない。


「………」


声に出さないようにメスを抜いているが抜いても抜いても続きがあった。
この男はもうおしまいだ。


あとは殺すだけだ。
僕は『念力』で男を操った。
もう『強化』能力を使うほど体力は残っていないだろう。
仰向きに寝かせ、僕は男を見降ろした。


「殺せ………」

力尽きた男が発した一言だった
僕はメスを『具現化』させた。
身体を動かすことさえ許さないほどの『念力』で男は何もできない。
この男をやるのに一本で十分だ。
僕はメスを振りかざし、心臓目掛けて………




―――続く