深い眠りから僕は起きた。
教室の窓から空を眺めると、天気は快晴だ。
誰かが僕を呼んでいる。
周囲を見渡すとクラスの皆が僕を見ていた。

今、僕は教室で授業を受けている。
三時限目で歴史の授業だった。


「ミコト、当てられてるぞ」


伊藤マサが僕に伝えた。


「んっ………」


そういえば、僕はいつ頃から寝ていたのだろう。
先生は僕を見ている。
クラスの皆は楽しそうに見ているが、綾瀬先生だけは違う。


「世界と才能について答えなさい」


綾瀬先生が僕に質問した。


「綾瀬先生、何を言えばいいんですか」


質問の意味がわからないから、聞いた。


「あなたが世界と才能について知っていることを何でも話せばいいのよ」


また、無茶苦茶なことを言う。
仕方がない………
僕は席から立ち上がり、綾瀬先生を見た。


「今から数百年前、僕達の国に隕石が落下しました。
このことで世界人口の大半が亡くなりました。
必然的に人類はかつてほどの危機に直面しました」


僕はこれ以上話す必要がないと思い、席に座ろうとした。


「その後は………」


綾瀬先生は続きを話してほしいのだろう。


「ある時、一人の男の子が生まれたそうです。
彼は現代の物理学を無にする力がありました。
人々はその子を『神』として崇めました………」

「その『神』は何をしたの」


綾瀬先生は続きを求めた。


「『神』は成長し、20歳になりました。
成人になると共に国民に言いました。
『人間は皆、平等に力が与えられている』
その後、『神』の言葉を信じて『能力』の研究が始まりました。
そして、人々は『才能』に目覚めました」


綾瀬先生は頷きながら話を聞いた。
話し終わると、綾瀬先生の表情は笑みを浮かべた。


「正解です」


僕は綾瀬先生の許可なく席に座った。


「神山君の説明に付け足しを加える………」


クラスの皆が綾瀬先生の話を聞く中、僕は再び窓から空を眺めた。