Infinite Information

僕は先生の連絡を聴いた。
ナナミが行方不明………
辻本が僕の方を見ていた。
何が起きているのか全くわからない。


「警察には連絡をしています。
もし、みなさんが知っているようなら先生のところまで連絡を宜しくお願いします。
以上でホームルームは終了です」


先生は教室から出た。
しばらくしてから、僕は伊藤に話しかけた。


「伊藤………、話がある」


伊藤も分かっているのだろう。


「ああ………
山本と辻本も呼んでいいか」


僕は頷いて「屋上にいる」と言って教室を出た。




屋上に着くまで、僕は頭が真っ白になった。
屋上についても、心に動揺があり平常心を保つことができない。
空を見上げても曇りでいい気分になれない。


「ミコト」


僕の名前を呼ぶのが聞こえて、僕は振り向いた。
『C』が集まっていた。


「ナナミを………、ナナミを捜そう」


僕は皆に言った。


「そうだな。
こんなことが起きたのは俺のせいだ。
すまない………」


伊藤が謝る。
僕は何も言わない。
この時点でわかることは僕達全員に伊藤を責めることなんてできないことだ。
僕も、伊藤も、山本も、辻本も、それにナナミも世界を軽く見ていたんだ。


反省をしても仕方がなかった。
僕達は手分けをして捜索することにした。
学校なんて関係なかった。
僕達は行動場所を決め、捜索した。


僕は駅前を検索することにした。他の皆も住宅街など『C』が活動している範囲内を徹底的に回ることにした。


伊藤が検索を始める前に通信機器を各自に渡した。
僕は伊藤を殴ろうかと思った。
皆も口には出さないが顔を見ればわかる。
伊藤は気づいたのか「解散」の合図で走って逃げて行った。