―――冬休み後
学校が始まった。
伊藤、辻本、山本、ナナミは普段と変わらずに登校した。
ホームルームの時間になり、久しぶりに綾瀬先生を見た。
朝の連絡事項が終わると僕達五人は呼ばれた。
僕達は綾瀬先生に連れられ、校長室に行った。
校長が居た。


「君たちが伊藤君に、山本君、神山君に辻本さん、白崎さんだね」

「………」


僕達は誰も答えなかった。


「若さとはいいものだ。
やりたいことができて、自由に遊びまわることができる。
君たちは学校内でも有名人なんだよ。
わかるね。
言っている意味が………」


校長は僕達一人一人に目を向けた。
威圧感だけが感じられた。


「今までのことは大目にしておいてあげる。
これも若さだ。
若者は勉強しないといけない。
勉学だけでなく、生き方についてもね。
だが、これ以上やるようなら、我が校にはいらない。
言っている意味がわかるね」


伊藤が何も言わないので僕達も言わなかった。


「それじゃあ、戻ってよろしい」


僕達は教室に戻った。
クラスの皆は何も言わなかったが、きっと知っているのだろう。
予測していたことが起こり始めた。




―――日曜日
活動をした。
『R』を一度見たいと辻本言ったためだ。
伊藤は了承して僕達はこの日行われるだろうとされる場所まで移動した。
僕達は顔が見られないように変装して会場に行く。


僕達が初めて活動をしたときの対象者であったサカイさんがいた。
サカイさんが演説している最中は何も起こらなかった。
終わると一人の若者が銃を持ってサカイに質問した。
会場中、騒ぎになった。
山本の話では活動で銃を使ったことは一度もないらしい。
ようするに、山本が見た銃はちょうど入荷したばかりで、僕達が行った日がたまたま初の使用日だったのだ。
偶然とは恐ろしいと思った。


「我々は『R』だ。我々の質問に答えてほしい。
サカイさん。
あんたは世界をどうするつもりだ」


サカイは震えている。
答えられないだろう。


「酷いな………」


小ちい声だが伊藤がつぶやいた。