Infinite Information

僕は目を覚ました。
意識が朦朧としていた。
僕は夢の中で能力を使ったときの感覚で『自己再生』を『選択』した。


傷口が治った。
メスを抜き取り完全に直した。
腕時計をしているせいか、夢の中で感じた『世界が僕』のような感覚はまったく感じられなかった。

僕は仰向けになりナナミについて考えた。
僕は高校に入り、ナナミと初めて会ったときから気になっていた。
今まで何も興味がなかった僕が初めて興味を持った人。
どうしてだろうとずっと考えていた。
だから、伊藤に頼んで話しかけた。
『C』の活動にもナナミのことが心配で参加した。


すべては一度会ったことが原因だった………
記憶を消しても、成長しても、彼女のことが忘れていなかったんだ………
僕は彼女が好きになった。




先生が近づいてきた。
本当に助ける気がなかったのだろう。
先生が僕を見て驚いていた。


「神山君、能力が目覚めたのかい」

「はい、おかげさまで」

「そうか。
どれぐらい能力があるんだい」

「一つです」

「まだ、『自己再生』しか目覚めていないのか………」

「いいえ、それも含めて一つです」

「言っている意味がわからないな、詳しく教えてくれ」

「僕の能力は『選択』でした。
僕自身が能力を選んで使用することができるんです」

「ほう、今まで聞いたことがない能力だね」

「でも問題があるんです」

「なんだね」

「『選択』するにも僕自身が能力を知らないといけないんです。
能力を使用する際は能力を想像しないとできません」

「そうだよね。
自分自身が知らない能力を使用することなんてできるはずがない」

「それに、能力値が高いことにも問題があるそうです」

「………『超越者』か」

「はい、以前話されていた『超越者』がもし存在した場合の能力の可能性』は確かにありえる話です」

「つまり、今君がやろうと思えば世界を滅ぼすことができるということか」

「今はできません。
しようとも思いません」

「そうか、それならいいんだ」

「先生、もう一つお話があるんです。
ちょっとこっちに来てください。
起き上がれないんです」