Infinite Information

「さて、本題に入ろう。
なぜ私が君を多才能力者だと知っているのか」

「………」

「神山君は事故のことを覚えているよね。
交通事故で御両親がお亡くなりになり、君だけが助かったが重傷を負っていた。
事故現場からこの森下総合病院に搬送された。
私たちは最善の手を尽くしたが助けられなかった。
そのとき、君の『才能』が目覚め助かった。
それが神山君に話したことだよね」

「はい」

「そのときの記憶はないんだよね」

「はい………」

「『自己再生』能力のことは私が君に教えたことであって本人は使用したかわからない。
そうだよね」

「はい」

「そして、今のことを話して練習するように言ったが拒否をした。
それで現在に至るわけだよね」

「はい」

「私が話した事故当時の話には続きがあるんだ」

「エッ………」

「『才能』が目覚めて助かった君は御両親のいる部屋まで歩いて行ったんだ」

「意識のない僕が歩いたんですか」

「そうだよ。
私たち、医師は君を止めようとした。
そこで色々と能力を披露したんだ」

「どんな能力ですか」

「まず、君が起き上がり、歩きだした。
私たちは止めようとしたが、君の能力で壁に貼り付けられた。
一種の『念力』だね。
でも、うちのスタッフにも念力を使う者がいたんだ。
彼は物体を浮かす能力なんだ。
普段から介護や物運びのために使用するから、病院内でも使用を許可していてね。
この森下総合病院は許可されたものだけが病院内で能力を使用していいようになっている。
許可のないものは神山君がつけている腕時計のような装置を付ける義務をしているんだ。危険な能力は危ないからね。」

「そうだったんですか。知らなかった」

「彼は近くにあった包帯や毛布を神山君に貼り付け、身動きをさせないように考えたんだ。
当時、彼の能力値は60だったんだ。
どんなものでも自在に浮かばせ操ることができると自慢していたよ」

「………」

「彼は神山君に飛ばしたまではよかったんだけど、さっきも言ったとおり、君は『超越者』だ。
そして『多才能力者』でもある」