Infinite Information

「どうするの。
本人は自覚していないけど、いつ力を爆発させるかわからない。
今の内に『キャンセラー』で能力値を抑えとかないと…」

「それで頼む。予備の『キャンセラー』はあるか」

「仕事で全部使ったわ。今は鍵しかないわ」

「辻本、それなら俺の『キャンセラー』を使えよ」


山本君が伊藤君とアカネの会話に割り込んだ。


「なあ、使えって…」

「いえ…
マサの『キャンセラー』を使うわ。
それでいい。マサ」

「ああ、頼む」


アカネが伊藤君の『キャンセラー』を外した。

キャンセラーを持ち、夫を見つめた。


「ナナミ、ちょっとミコトに危害を加えると思うけど…我慢してね」


そう言うとアカネが夫の所まで跳躍した。

でも途中で弾かれてしまった。


「ヨシト」と発すると、そこまで立っていたヨシトさんがアカネの後ろに着いた。


「いい、『粒子分裂』でこの部屋の粒子の流れを乱して…私はギアを最大して跳躍するから」

「わかりました」