森下先生は真剣な表情をしていた。
「神山君の能力である『自己再生』は両親の交通事故が引き金で目覚めた能力で、使用者の身体にできた傷を瞬時に直すことができるものだ。
これには大きなリスクが伴う。
再生のとき粒子の量が多いと身体に害を及ぼす。
そのため、使用者には訓練が必要で二つのことをしなくてはならない。
一つ目が能力値のコントロール。
必要以上に粒子を体内に入れないこと。
多すぎると身体に粒子が溜まってしまい、能力病にかかる。
二つ目が練習。
能力の制御を練習するには自身の身体を傷つけないといけない。」
僕は先生の話をただ聞いていた。
もう何年も前に同じ話を聞いていたので驚きもない。
「神山君、君が能力を使用したくないのは二つ目が嫌だからだろ。
それにこの能力者になった人はよく学校で虐められると聞く」
そうです。正解です。森下先生。
「でも、それが君の『才能』だ。
受け止めなくてはならない。
だから、私は神山君に能力値をコントロールするために時計を渡した。
あれは能力値を測定する機能が付いているから自分で能力値を測定して一つ目の練習をしてもらうために。
さらに神山君の能力値の最大値を知ることで練習段階を決めることにした。
そうだよね」
「………」
僕は腕時計の機能について初めて知った。
いつも最大値を森下先生がメモしているのでただ最大値のみを検出するための装置としか思っていなかった。
「ここまでは神山君の知っていることだよね」
「はい」
これから能力の練習をするのだろうと思った。
痛いのは嫌だ。
帰りたい。
「実はこの話には嘘と続きがあるんだ」
「エッ………」
「神山君、君は『多才能力者』だ」
「神山君の能力である『自己再生』は両親の交通事故が引き金で目覚めた能力で、使用者の身体にできた傷を瞬時に直すことができるものだ。
これには大きなリスクが伴う。
再生のとき粒子の量が多いと身体に害を及ぼす。
そのため、使用者には訓練が必要で二つのことをしなくてはならない。
一つ目が能力値のコントロール。
必要以上に粒子を体内に入れないこと。
多すぎると身体に粒子が溜まってしまい、能力病にかかる。
二つ目が練習。
能力の制御を練習するには自身の身体を傷つけないといけない。」
僕は先生の話をただ聞いていた。
もう何年も前に同じ話を聞いていたので驚きもない。
「神山君、君が能力を使用したくないのは二つ目が嫌だからだろ。
それにこの能力者になった人はよく学校で虐められると聞く」
そうです。正解です。森下先生。
「でも、それが君の『才能』だ。
受け止めなくてはならない。
だから、私は神山君に能力値をコントロールするために時計を渡した。
あれは能力値を測定する機能が付いているから自分で能力値を測定して一つ目の練習をしてもらうために。
さらに神山君の能力値の最大値を知ることで練習段階を決めることにした。
そうだよね」
「………」
僕は腕時計の機能について初めて知った。
いつも最大値を森下先生がメモしているのでただ最大値のみを検出するための装置としか思っていなかった。
「ここまでは神山君の知っていることだよね」
「はい」
これから能力の練習をするのだろうと思った。
痛いのは嫌だ。
帰りたい。
「実はこの話には嘘と続きがあるんだ」
「エッ………」
「神山君、君は『多才能力者』だ」


