Infinite Information

約束の日曜日になった。
あの日以来僕は伊藤に会っていない。
学校に来ていないからだ。
待ち合わせの時刻五分前に着いた。
ナナミ以外全員来ていた。
ナナミはのんびり屋だから時間ギリギリに来ると思った。
それから数分してナナミも来た。


僕達は近くのカフェで伊藤の話を聞いた。
どうやら、初めは簡単な活動をするようだ。
午後三時に駅前で将来有望な人の講演がある。
僕達はその人にメッセージを送るそうだ。
ようするに邪魔をするものだ。
伊藤の話では小さいことから始めることが重要だと言う。


時間になり、僕達は移動した。
確かに将来有望の人だ。
僕も知っている人だから。
伊藤はタイミングを見計らった。
僕達はただ伊藤に注目をしていた。


演説が終わった。
伊藤が突然手を挙げた。
雷が手から空に向けて飛んだ。
周囲の人は驚いた。
僕達も驚いた。
周りが静かになり、伊藤は話し始めた。


「サカイさん、あなたはこの国を将来どうするつもりですか」


伊藤の言葉に皆が聴いた。


「君は組織の者か、私を殺しに来たのか」


サカイさんは焦っている。僕が彼なら同じことをしているだろう。


「違います。
俺はただ、話を聴いてほしくて能力を使っただけで敵意はありません。
お願いです。今、俺達と少し国についてお話ができないでしょうか」

「それなら、私の秘書を通してからにしてくれ。
私は忙しいんだ」

「秘書には何度も何度も連絡をしました。秘書に聴いてください。
大きな声で俺を怒鳴ったと思うので忘れるはずがありません」

「………そうなのか、リュウイチ」


秘書に確認をしている。


「はい、確かに毎日四六時中連絡してくるもので怒鳴りました」


真面目な秘書だ。


「そうか、すまないね。
いいだろう。
少しだけなら話をしてもいい」


大衆の前で、逃げられないことを計算した行動だ。

計算された活動だよ、伊藤………


「さきほども言った通り、あなたはこの国を将来どうするつもりですか」


皆がサカイさんの答えに集中した。