Infinite Information

伊藤が宣言すると店員が僕達のテーブルに来た。


「お待たせしました。
スペシャルステーキセットのお客さま」

「はい」


山本が返事をした。
肉の音だけが僕達のテープルで響いている。


「チョコレートパフェとコーヒーのお客様」

「あ、はい」


辻本の目の前に大きなパフェとコーヒーが置かれた。


「コーヒーのお代わりはセルフになります」

「ハヤシライスのお客様」

「はい」

「以上で注文は宜しいでしょうか」

「はい」


店員は厨房へ戻っていくのを確認してから伊藤の方を見た。


「友達であり、信頼できる四人だからこそ話せる話なんだ。
本当は高校を卒業してから始める予定だっただけど目的が予想よりも早く達成してしまったため、始めることにした。
俺は世の中がおかしいと思う。
山本、そうは思わないか。
『才能』だとか能力値だとかで職を見つけるなんて」


山本は答えなかった。


「『楽園』と呼ばれている世界も夜になると闇の世界じゃないか。
犯罪も起きている。
俺と同じく考えているものは国に異議を唱える。
このままでは戦争に発展するだろう。
そうなれば、国は崩壊するだろう。
しかし、崩壊する前に正しい方向に変えればいいんじゃないか。
正しい方向に変えるため俺達が国を正しい方向に導くべきだ」


僕は伊藤の話しを聞きながら目の前のハヤシライスを見ていた。


「俺と一緒に国を変えないか」


皆に問いかけた。
僕は面倒なことには関わりたくない。


「………僕は無能力者なんだけど」


一応僕は『無能力者』無能力者だ。


「ミコト。お前はシンボルだ」


………意味がわからない