Infinite Information

「でも、『才能』が開花しないと………
将来のこととかもあるし………」

「いい、なんとかなるよ………」


早くこの話題が終わらないかと思った。


「まあまあ、二人ともそんな暗い話をするよりも俺を祝ってくれ」


どうでもいい話だったから話題を変えようとしたのか。
あるいは僕のことを考えてくれたのかわからないが助かったよ。


「ほら、暗い顔をするなよ。さあさあ、盛り上がっていこう」


僕達は水の入ったコップを片手に持ち、乾杯をした。
ちょうど、乾杯が終わると白崎ナナミが来た。


「遅れました。ごめんなさい」


ナナミは僕達に謝った。


「大丈夫だ………ほら早く座りなって」


伊藤が言うとナナミを山本の横に座った。
僕とナナミは向い合せになった。


「ナナミ、来るって知らなかったわ」


辻本がナナミに言った。
たぶん僕以外ナナミが来ることを言わなかったのだろう。


「うん、ありがとう」


ナナミは笑顔で行った。


「やあ………」


僕はナナミに声をかけた。


「ミコト君、こんばんは」


僕はそれ以上ナナミと話ができなかった………

タイミングを見計らって、伊藤が突然立った。


「今日皆に集まってもらったのには話したいことがあるからだ」


改めて能力値のことを話すのだと思った。
ナナミ以外はそう思っただろう。


「実は、俺達の国に戦いを挑もうと思う」


僕は頭の中が真っ白になった。
僕は伊藤から視界を逸らした。
山本と目があった。
次にアカネの方を見た。
山本の方を見ている。


たぶん、僕を含めて三人とも頭の中が真っ白になったのだろう。
ナナミはだけが笑みを浮かべていた………