Infinite Information

私たちは四方八方へと散らばった。
固まった行動をするよりは個別団体で動いた方がいい。
この戦いは先に総長と倒したほうが勝ちなのだ。
私が死ななければ負けない。


戦闘が始まった。
能力者同士の戦いだ。
私は町が燃えているのを見ながら、前に進んだ。
ただ、一人の男を殺すために………


私の横にはヨシトがいた。
信頼できる部下を付け、ゆらりゆらりと進んでいく。
攻撃をされても全て無効にした。
『キャンセラー』と『感覚』の二つの効果が私を守った。


まっすぐ歩いたが………
突然、戦いの音がやんだ。
嫌な予感がした。


「総長、通信がやられました」

「ヨシト、他の人の状況を説明して………」

「どこにも連絡が取れません」


私は何が起きているのかがわからなかった。
だが、微かだが私の周りで動いているものがあった。
遠くの方から人がこっちに来ていた。
その数は千人をしのいだ。
あたりを見渡すと前だけではなく左右と後ろにも同じ軍団がいた。


「総長………」

「大丈夫。
彼らは数が多いだけ………
力は弱い」




そのとき、突然音声が流れた。


「『W』の総長に言う。
君たちの負けだ。
私の戦力は一万だ。
君たちのような寄せ集めのメンバーとは違い、彼らはこの国の軍だ。
君たちでは勝てない。
さあ、降参しろ。
そうすれば部下の命だけは助けてやる」

「馬鹿な人だ」


私は戦うことを選んだ。
かなりの長期戦になるだろう。
四方八方に囲まれ、約四千人を相手をしなくてはならない。