Infinite Information

時間ギリギリに着いた。
僕は伊藤達を捜した。
奥の席で笑い声がした。
僕が目を向けると伊藤がこちらに気づき手を振っている。
山本タクヤと辻本アカネもいる。まだ白崎ナナミは来ていない。


「少し遅れた………」


一応待たせたのだから一言かけた。


「おう、結構待ったぞ。
今日おごりな」


山本が言った。 


「もう………冗談よ」


辻本が笑みを浮かべながら言った。


「ちょうど、今二人とも来たところだ」

僕を呼びだした張本人伊藤が言った。 


「あれ、まだナナミは来てないんだ」


気になったので伊藤に聞いてみた


「ああ、少し遅れてから来るよ」


伊藤がこっちを見て笑っている。


「ちょっと、何二人だけしか分からない話止めてよ。
私にも教えなさいよ」

「俺にも教えろよ」


辻本と山本が伊藤に話しかけた。


「まあまあ、俺とミコトだけの話だ。
済まないね。ほら、ミコトも早く座れよ」


僕は辻本の横に座った。


「まあ、今日集まってもらったのは、俺が高校に入り卒業するまでに決めていたことが達成されたためだ」

「何のことだ」


山本が伊藤に質問した。


「今日の四限目の能力検査で能力値が50になったんだ」


伊藤は嬉しそうに話した。


「そうかぃ………」

「おめでとう」

「………」


僕は何も言わなかった。
辻本は伊藤に祝福の言葉を言ったが僕は言わなかった。
能力に興味がないからだ。


「まあ、高校を卒業するまでの目標がまさか二年次で達成されるとは思わなくってな、嬉しいかぎりだよ」


伊藤は自慢げに言う。


「いいなー、
私なんかまだ学校の平均値にも達してないのに………」

「それなら俺もだ」


僕はただ彼らの話を聞きながらメニューを見ている。
何にしようかな………。


「まあ、そんなわけで今日はおれのおごりだ。
好きなものを頼んでくれ」


伊藤は鼻を高くして僕達に言う。